「後発」であることを誇りに。

薬の世界には「先発薬」と「後発薬(ジェネリック医薬品)」という言葉があります。
先に開発され、多くの人に使われてきたものが「先発」。
その後、同じ有効成分で製造されるものが「後発」です。

一般的には、先発薬が“本家”で、後発薬は“廉価版”という印象を持たれがちですが、
本当にそれだけでしょうか?

むしろ後発には、「後だからこそできる工夫」や「実際の声に応える改良」という強みがあります。そして今、私たち訪問看護ステーションすみれも、まさにその立ち位置にいます。

「明らかに後発」。だからこそ見えたもの

私たちは、地域にすでに多くの訪問看護ステーションがある中で、あえて後発として、この道に踏み出しました。

正直に言えば、既存のサービスとまったく同じことをしていても、「新しく始める意味」はありません。始めるならば、“何かが違う”と感じてもらえる存在でなければならない──

その覚悟だけは、はじめから持っていました。

差別化とは、特別なことをすることではない

差別化とは、奇抜なことをすることではありません。

「その人らしさに寄り添うこと」
「名前ではなく、まなざしでその人を見つめること」
「医療や制度の枠にとらわれず、“人”として関わること」

当たり前に聞こえるかもしれませんが、
この“当たり前”を本気でやり続けることこそが、
すみれの強みになっていくのだと信じています。

少しずつ、けれど確実に

体制も、人手も、資源も、まだ十分とは言えません。
けれど、少しずつ、ひとつひとつ準備が整い始めています。

利用者さんと一緒に外に出て、桜の花を見上げる時間。
ただ「こんにちは」と笑顔を交わせる関係。
病や障がいの有無を越えて、「自分を大切にしていいんだ」と思える瞬間。

そうした積み重ねが、やがて私たち自身の“特色”になっていく。

気づき始めている人がいる

まだ大きな声ではありませんが、
「すみれさんって、なんかいいよね」
そんな風に言ってくださる方が、確かに現れ始めています。

目立たなくてもいい。
数ではなく、心に届くサービスを。

私たちが目指すのは、
「訪問看護だから」ではなく、
「すみれだから」と言ってもらえること。

「後発」であることを、誇りに

先に始めた誰かがいるからこそ、
私たちは立ち止まって考えることができました。

「本当に必要とされるものは何か」
「この地域に足りないものは何か」

だからこそ、「後発」であることに、私たちは誇りを持っています。

これからの展開がすべてを決める。
焦らず、一歩ずつ。
今日もまた、“すみれらしい関わり”を丁寧に重ねていきます。

最後に

これからも、変わらぬ情熱と静かな覚悟を持って、
小さな現場から、小さな革新を起こしていきたいと思っています。

訪問看護ステーションすみれを、どうか温かく見守っていただけたら嬉しいです。

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